中国人民大学2005年9月~西辻健一郎さま~

西辻健一郎さんは2004年8月~2005年8月まで留学準備として当校で北京語を勉強されておりました。
先日、留学先の北京からレポートをいただきました。
現地の気候から、テレビ番組や、さらには発音のコツまで、興味深い内容のものが盛りだくさんです。

1.北京の空気

2.庙会 miào huì

3.中国のテレビ番組

4.現地の中国語

5. 中韓関係(文化面)

6.「活力門」事件

7.黄砂&柳樹の花

8.受験戦争

9.歴史を知る

10.北京今昔

 

9.歴史を知る

 「7月7日は何の日でしょう」そう聞かれてあなたはどう答えますか?普通なら「七夕」と答えるでしょう。それも答えです。しかし、中国に興味がある人、とりわけ北京へ旅行、留学でやってくる人はぜひ、もうひとつの答えを知っておく必要があります。

もうひとつの答え、それは「盧溝橋事件が起こった日」です。

 この事件についての詳細は、ここでは書きません。大事なことは、盧溝橋あるいは7月7日のことについて中国人に聞かれて「何も答えられない」、「ピンと来ない」日本人に対して、中国人は大変残念がり、ある人はその人を軽蔑し、悪くなれば怒りを覚えるのだということです。これは逆に言うと、歴史に対して少しでも知識があると、極端に言えば「7月7日=盧溝橋」という事だけの知識だけでもあると、中国人はその日本人に敬意を、少なくとも確実に親しみを感じるということです。

 よく言われることですが、日本において過去は「水に流す」ものとされます。他方中国では「未来を写す鑑」とされます(以史为鉴,面向未来)。この違いの、どちらが正か非かと糾す前に、ここに違いあることをしっかりと認め、まずなにより相手の考えを尊重することが必要でしょう。

 また、「いじめっ子はいじめたことをよく忘れるが、いじめられっ子はいじめられたことをよく覚えている」とされています。立場が違うと、同じ出来事でも受けるイメージの内容、強さ、鮮明さ、そして意味合いが変わります。加えてこうした違いが生まれることに対する認識も、いじめっ子はより鈍感で、いじめられっ子はより敏感になりがちです。こうした心理的温度差が、認知という人間の心理作用に存在することを、やはり日本人は知るべきでしょう。

 まして、中国語を勉強する日本人、中国に関心を持つ日本人ならば、このような立場に立ち、「7月7日=盧溝橋」というようなわずかな取っ掛かりでもよいので、「歴史を知る」という試みに立ち向かい、またその努力を続けるべきでしょう。中国の地で、楽しいはずのコミュニケーションの現場で気まずい思いをすることを望む人は、どこにもいないはずです。

写真18-1 宛平城
盧溝橋のそば(北京市内側)にある要塞。現在、この中は住宅地&観光地となっていて、自由に入れる。

写真18-2 宛平城遠景・盧溝橋


写真18-3 盧溝橋
撮影日は7月7日。私が来る少し前に、ここで反日デモ行進があったらしい。その様子はNHKスペシャルで放送されていた。

写真18-4 中国人民抗日戦争記念館
宛平城の中にある記念館。7月7日、8月15日といった日中戦争に関係の深い日には入場料が無料になる。中に何があるかは・・・皆さんの目で確認してください。

 

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10.北京今昔

 留学当時、北京はどこもかしこも工事、建設ラッシュで、いつもどこかで新しい建物が建ち、他方どこかから古い建物が消えてゆきました。今回はその中から「中关村」「前门-大栅栏」の2箇所を取り上げます。
今昔①:中关村
もはや日本でも有名になった「中国の秋葉原」こと中关村。しかしこの街にはもうひとつ「書籍街」としての顔もあります。ですから中关村は、東京の秋葉原と神田神保町をひとつにしたような、一大文化発信基地なのです。ここでは、このどちらかといえば知られていない、「書籍街」としての中关村の様子を掲載します。

写真19-1 中国海淀图书城
最近まで中关书籍街の中心には、このビルが存在していたようです。が…留学当時は、改修工事のさなかでした。

 

 

 

写真19-2 中国海淀图书城 内部
かつてはテナントが密集し、繁栄していたと思われます。留学当時は半数ほどのテナントは撤退し、残ったお店も大学の授業の参考書・アニメ・ゲーム・音楽CD・DVD(ほとんどはコピー製品)を販売し何とか商売をしているようですが、衰退の事実はありありと伝わっていました。

写真19-3 中关村图书大厦①
中国海淀图书城に代わり今の中关村书籍街の中心地となったのが、この中关村图书大厦。美しい内装、圧倒的品揃え、立ち読み可能なゆとりスペース、間違いなく「正規版」を購入することができる信頼性、そしてVISA MASTER使用可(留学生にはうれしい!)。

今昔②:前门-大栅栏
前门、大栅栏はそれぞれ地名で、有名な天安門広場の南側にあります。この一帯は清朝末期から、広大な商業・娯楽・ホテル街として名をはせていました。この場所の活気は、一種の「うさんくささ」「大人の歓楽街という性格」に裏付けされたもので、近代中国社会の表と裏を残した場所とされてきました。しかし2008年の五輪を控えた再開発事業は遂にこの地帯にも及び、古き良き(悪しき?)時代の面影が、留学当時急速に失われてゆきました。開発計画では、昔の遺産を残しつつ、「文明都市」にふさわしい北京の町並みを造るということなのですが、今後どうなるか、非常に気になる所です。

 

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